課題別動く図解

電話の取りこぼし(あふれ呼)を減らす方法 — 人を増やさない5つの対策

AIRI編集部

·8分で読めます

「電話に出られなかった」「かけ直したら、もう他社に決めたと言われた」——電話の取りこぼしは、目に見える損失として記録に残りにくい分、対策が後回しになりがちです。コールセンターでは、回線やオペレーターが埋まって応答できなかった着信をあふれ呼(こ)と呼びます。

この記事では、電話の取りこぼしが起きる原因を整理し、人を増やさずに減らす方法を、手間の小さい順に紹介します。

あふれ呼・取りこぼしとは

あふれ呼は、着信の数が、同時に受けられる数(回線数・対応できる人数)を上回ったときに発生します。相手には話し中の音や呼び出し音が続くだけで、待ちきれずに切られた電話は放棄呼と呼ばれます。規模の小さい会社や店舗では専門用語は使いませんが、起きていることは同じです。

  • 接客中・作業中で、鳴っている電話に出られない
  • 1本対応している間に、別の電話がかかってくる
  • 昼休み・営業時間外・定休日にかかってくる
動く図解 — 取りこぼしはこう起きる
同じ1時間の着信(例)を、人2人だけで受けた場合と、人2人+AIで受けた場合。電話が来た瞬間に空いている受け手がいないと、その電話は取りこぼし(×)になります。

昼のピークに14本の電話がかかってくる例です。人2人だけで受けると、2人とも通話中のときに来た電話は取れず、6本が取りこぼしになります。人2人にAIを足すと、人がふさがっている間の電話をAIが受け、取りこぼしは0本になります。

取りこぼしが起きる3つの原因

1. 着信が特定の時間帯に集中する

電話は1日の中で均等にはかかってきません。始業直後、昼休み前後、終業間際、キャンペーンや請求書の発送直後などに集中します。平均の件数に合わせた体制では、山の時間帯に必ずあふれます。

2. 1件あたりの対応時間が長い

担当者への取り次ぎ、確認のための保留、同じ説明の繰り返し——1件が長引くほど、その間にかかってきた電話は取れません。件数ではなく「電話がふさがっている時間」が取りこぼしを決めます。

3. 出るべきでない電話に時間を使っている

営業電話や、Webサイトを見れば分かる定型的な問い合わせに対応している間にも、大事な電話は鳴っています。営業電話の対策は、取りこぼし対策でもあります。

まず、どれだけ取りこぼしているかを把握する

対策の前に、現状を数字で見ます。ビジネスフォンやクラウドPBXの着信履歴から、不在着信の件数と時間帯を1〜2週間分集計するだけで、「いつ・どれくらい」あふれているかが分かります。履歴が残らない電話機の場合は、出られなかった電話を正の字で記録するだけでも十分です。

見るべきは件数そのものより、時間帯の偏りです。偏りがはっきりしていれば、その時間帯だけ対策を当てれば済みます。

人を増やさずに取りこぼしを減らす5つの方法

1. 折り返しの仕組みを決める

不在着信に必ず折り返すルールを決めます。誰が・何分以内に折り返すかを決め、履歴を共有するだけで、取りこぼしの一部は回収できます。ただし、相手が出ない・すでに他社へ連絡済みという場合は取り戻せません。

2. Webで答えられる問い合わせを減らす

営業時間、料金、アクセス、手続きの方法など、電話で繰り返し聞かれる内容をWebサイトの目立つ場所に載せます。電話そのものが減るため、他の対策の効果も上がります。

3. 留守番電話・自動音声で用件を預かる

出られないときに用件を録音してもらう方法です。費用は小さい一方、メッセージを残さずに切る人が多いのが弱点で、急ぎの問い合わせほど別の会社へ流れます。

4. IVR(自動音声ガイダンス)で振り分ける

「◯◯の方は1を」と用件別に振り分け、定型的な案内は音声で済ませます。担当者に届く電話を絞れますが、番号操作の手間が生じるため、分岐は少なく保つ必要があります。IVRとAIの違いはIVRとAI電話の違いで整理しています。

5. AIに一次対応を任せる

AI電話は、同時に複数の着信を受けられます。人が出られないときだけAIが受け、定型的な質問にはその場で答え、それ以外は用件と折り返し先を聞き取って担当者へ知らせます。相手は待たされずに用件を伝えられ、担当者は内容を読んでから折り返せます。仕組みはAI電話代行とは?で解説しています。

5つの方法の比較

方法手間・費用取りこぼしへの効き方
折り返しルール小あとから回収する。急ぎの用件は取り戻しにくい
Webでの案内小電話の総数を減らす。効果が出るまで時間がかかる
留守番電話小用件を残してくれた分だけ回収できる
IVR中担当者に届く電話を絞る。同時着信の上限は変わらない
AI一次対応中同時着信・時間外も受ける。用件が文字で残る

どれか1つを選ぶものではなく、1と2を土台に、あふれる時間帯へ3〜5を当てるのが現実的な組み合わせです。

まとめ

電話の取りこぼしは、着信の集中・対応時間の長さ・出るべきでない電話の3つが重なって起きます。まず不在着信の件数と時間帯を把握し、偏りのある時間帯から対策を当ててください。人を増やせない状況では、「人が出られないときに、代わりに用件を受ける仕組み」を持つことが、もっとも効果の大きい一手になります。電話対応にかかっている時間の目安は導入効果(時間創出)のページで試算できます。

よくある質問

あふれ呼とは何ですか?

着信の数が、同時に受けられる回線数や対応できる人数を上回り、応答できなかった電話のことです。コールセンターの用語ですが、店舗や少人数の会社で「接客中で出られなかった電話」も同じ現象です。

取りこぼしがどれくらいあるかは、どうすれば分かりますか?

ビジネスフォンやクラウドPBXの着信履歴で、不在着信の件数と時間帯を1〜2週間分集計します。履歴が残らない電話機の場合は、出られなかった電話を手元で記録するだけでも傾向がつかめます。

留守番電話ではだめですか?

用件を残してくれる相手には有効ですが、メッセージを残さずに切る人も多く、急ぎの問い合わせは他社へ流れやすくなります。用件をその場で聞き取れる仕組みと比べると、回収できる割合に差が出ます。

電話が集中する時間帯だけ、AIに任せることはできますか?

できます。人が出られないときだけ転送する、営業時間外だけ切り替えるなど、時間帯や条件を絞った使い方から始めるのが一般的です。

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